お米の表面の白い粉は、カビとは限りません。
精米のときに残ったぬかや、粒どうしがこすれて出た粉のこともあれば、湿気で生えたカビのこともあります。
見分けるときは見た目 → におい → 手ざわりの順に確かめ、少しでもカビを疑ったら、そのお米は食べないのが基本です。
カビかどうかを見分ける3つのポイント
見た目で分ける
まず、お米を白い皿や紙の上に少し広げて、明るい場所で見ます。

見えるものによって、考えられることと、どうするかは次のように分かれます。
| 見えるもの | 考えられること | どうするか |
|---|---|---|
| さらさらした白い粉で、においは変わらない | ぬか、粒がこすれた粉 | 研げば落ちる。においと手ざわりも確かめる |
| 綿のような白いもの、緑・黒・青っぽい点や粉 | カビ | 食べずに処分する |
| 粒どうしが湿ってくっつき、黄色や茶色っぽく変わっている | 湿気を吸って傷んでいる、カビ | 食べずに処分する |
| 粒が糸でつながったかたまり、動く黒い点 | 虫(メイガの幼虫、コクゾウムシ) | 虫の対処をする。かび臭さがあれば処分 |
白い粉が、粒の表面にうっすらつく程度で、指でこするとさらっと落ちるなら、ぬかや米の粉と考えられます。
反対に、粉がふわふわと綿のように盛り上がっている、色がついているときは、カビを疑います。
においで分ける
次に、容器や袋に顔を近づけて、においを確かめます。

湿った押し入れや土、ほこりのようなかび臭さがあれば、見た目に変わりがなくても食べません。
古いお米には、ぬかや古い油のようなにおい(古米のにおい)が出ることがあり、これはカビとは別のものです。
どちらのにおいか判断がつかないときは、食べない側を選びます。
ほかのにおいが移っていたら
お米はまわりのにおいを吸いやすいので、洗剤・灯油・防虫剤・香りの強い食品のそばに置くと、そのにおいが移ることがあります。
移ったにおいは、研いでも抜けきらないことがあり、炊くとご飯にも残ります。
食べ物らしくないにおいがはっきりするお米は、無理に食べずに処分し、次からは置き場所を変えます。
手ざわりで分ける
最後に、お米をひとつかみ手にとってみます。
ふだんのお米は、さらさらと指のあいだからこぼれる手ざわりです。

しっとりしている、粒がくっついて固まりになっている、ひんやり湿っぽいときは、湿気を吸っているサインで、カビが生えやすい状態です。
食べない判断と、カビ毒のこと
こんなお米は、食べずに処分する
・綿のような白いもの、緑・黒・青っぽい点が見える
・かび臭い、すっぱいにおいがする
・粒が湿ってくっつき、色が変わっている
・カビの生えた部分を取り除いた残りのお米
・見た目やにおいに迷いが残る
カビそのものは加熱で死にますが、カビがつくるカビ毒の中には、熱に強く、ふつうに炊いても十分に減らないものがあります。
カビ毒が入っているかどうかは、見た目では分かりません。
カビの生えた部分だけを取り除いても、見えないカビがほかの粒に残っていることがあるので、袋や容器のお米はまとめて処分します。
「もったいない」と感じても、カビの生えたお米は食べないようにします。
処分したあとの容器
カビの生えたお米が入っていた容器は、中性洗剤で洗って、すみずみまで乾かしてから使います。

洗えない素材の容器や、においが取れない容器は、新しいお米を入れる前に買い替えを考えます。
同じ棚に置いていたほかのお米や乾物も、湿っていないか、においが移っていないかを確かめておきます。
お米にカビが生えやすい場面
お米のカビは、湿気がたまったところから始まります。
長く置いたお米だけでなく、次のような場面でも起こりやすくなります。
- 梅雨から夏に、シンク下や床下収納など、湿気と熱がこもる場所に置いている
- 冷蔵庫から出した容器を長く外に置き、表面や中に水滴がついた
- 濡れた計量カップを、そのまま米びつに入れた
- 洗った米びつやペットボトルが乾ききる前にお米を入れた
- 袋のまま床に直に置き、下から湿気を吸った
どれも、乾いた状態を保てば防げることばかりです。
お米に触れるものは、すべて乾いた状態で使うと覚えておくと、カビの多くは防げます。
古米とは、新米との違い
一般に、前の年にとれたお米を古米と呼びます。
お米の袋に「新米」と書けるのは、とれた年の12月31日までに精米して袋に詰めたお米に限られる、という表示のルールがあります。
古米だから傷んでいるというわけではなく、保存の状態がよければ、ふつうに炊いて食べられます。
古米をおいしく炊く手順
古米は、研ぎ方・浸水・水加減の3つを少し変えるだけで、炊きあがりがふっくらしやすくなります。
お米に水を注いだら、軽く混ぜてすぐに水を捨てます。
乾いたお米は最初の水を吸いやすいので、ぬかのにおいが移る前に流します。
古米は乾いて粒が割れやすくなっているので、力を入れすぎずにやさしく研ぎます。
表面のぬかやにおいを落とすつもりで、すすぐ回数をいつもより1〜2回多めにします。
乾いている古米は、芯まで水が届くのに時間がかかるので、浸水をいつもより長めにとります。
内釜の目盛りよりほんの少しだけ水を多めにすると、ぱさつきをおさえやすくなります。
増やしすぎるとべたつくので、一度に大きく増やさず、少しずつ調整します。
炊きあがったら早めにしゃもじで底から返して、余分な水分を飛ばします。


においが気になるときは、炊くときに日本酒を少し加える方法もあります。
研ぎ方や浸水時間の基本は「お米の研ぎ方と浸水時間、研ぐ回数・水の温度・夏と冬の違い」で扱っています。
古米が向く料理
粘りが控えめな古米は、チャーハン・カレー・丼もののように、ぱらっとした粒や、汁を吸っても形がくずれにくいご飯がほしい料理に使いやすくなります。

白いご飯で食べるなら、新しいお米と混ぜて炊く方法もありますが、そのときは古米に合わせて浸水を長めにとります。
次から防ぐ保存
カビも古米のにおいも、湿気・暑さ・長い保存期間が重なると起こりやすくなります。
次から見直すところ
・お米は1か月ほどで食べきれる量だけ買う
・袋のままにせず、ふたがしっかり閉まる容器に移す
・シンク下やコンロの横のような、湿気や熱がこもる場所に置かない
・暖かい時期は、冷蔵庫の野菜室に入れる
・容器は空にして洗い、よく乾かしてから次のお米を入れる
置き場所の選び方は「お米の保存方法、夏と冬の置き場所と、冷蔵庫の野菜室・保存容器の選び方」で、虫を見つけたときの対処は「米に虫がわいたときの対処、取り方と食べられるかの判断、防ぐ方法」で扱っています。
見た目やにおいで迷う場面そのものを減らすには、買う量を減らして、早めに食べきるのがいちばんの近道です。
カビと古米、よくある疑問
- 冷蔵庫に入れていたのに、カビが生えたのはなぜ?
-
冷蔵庫から出した容器を長く外に置くと、冷えた容器の表面や中に水滴がつきます。
その水気をお米が吸うと、冷蔵庫の中でもカビが生えることがあります。
お米を量ったら、すぐに冷蔵庫に戻すようにします。
- 精米時期が古いお米は、もう食べられない?
-
お米の袋にあるのは精米時期で、食べられる期限を示すものではありません。
精米してから日がたつほど風味は落ちていくので、古い日付のお米は、見た目・におい・手ざわりを確かめてから、早めに使いきります。
どれか一つでも気になるところがあれば、食べずに処分します。
- 玄米にも、カビは生える?
-
玄米にも、白米と同じようにカビは生えます。
見分け方も処分の判断も同じで、綿のようなもの、色のついた点、かび臭さがあれば食べません。
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