鍋でご飯を炊く手順は、中火で沸かす、弱火で炊く、火を止めて蒸らす、の3つの段階に分けて覚えます。
2合なら、浸水を終えてから火にかけ、沸騰まで8〜10分、弱火で12〜15分、蒸らし10分がひとつの目安です。
時間は鍋の厚みや火の強さで前後するので、時計より、鍋から聞こえる音と湯気で次の段階に移ります。
鍋炊きでいちばん大事なこと
蒸らしの10分が終わるまで、ふたを開けない。
弱火のあいだも蒸らしのあいだも、ふたの内側では蒸気がお米に火を通しています。

普通の鍋・土鍋・ご飯用の鍋、どれで炊くか
ご飯は、家にある鍋でも炊けます。
ただ、鍋の種類によって、火加減の気の使い方と、炊きあがりの雰囲気が少しずつ違います。
| 鍋の種類 | 良いところ | 気を付けるところ |
|---|---|---|
| 厚手のステンレス鍋・ホーロー鍋 | ふだんの料理用の鍋で炊ける。厚手なら熱がゆっくり伝わり焦げにくい | 薄い鍋は底だけ熱くなり、焦げやすい |
| 土鍋 | 熱をためこむので、火を止めてからもじっくり蒸らせる | 重く、急に冷やすとひびが入りやすい。IH対応の表示がないものはIHで使えない |
| ご飯用の鍋(炊飯用の土鍋・二重ぶたの鍋など) | ご飯を炊くための形と厚みにつくられている | 鍋ごとに説明書の炊き方がある |
| 薄いアルミの片手鍋 | すぐに沸く | 火が強く当たり、底が焦げやすい。弱火をとくに弱く |

鍋の大きさと、ふたの選び方
鍋は、お米と水を入れても、鍋の高さの半分以下におさまるくらいの大きさを選びます。
小さすぎる鍋は、沸騰したときに吹きこぼれやすく、大きすぎる鍋は、底に広がったお米が薄くなって焦げやすくなります。
ふたは、重みがあって、すき間なく閉まるものが向いています。
ガラスのふたなら、ふたを開けずに中の様子が見られます。
ガスとIH、どちらでも炊ける?
ガス火でもIHでも炊けますが、IHで使えるのは、底が平らで、IH対応と表示された鍋だけです。
IHで土鍋を使うときは、IH対応と表示された土鍋を選びます。
IHは火力を数字で選べる分、どの段階で中火・弱火にしたかを覚えておくと、次から同じ炊きあがりに近づけられます。
使える鍋や火力の目安は、こんろとIHの取扱説明書を確かめます。
鍋でご飯を炊く手順(2合の場合)
お米をやさしく洗い、夏は30分〜1時間、冬は1〜2時間を目安に浸水させます。
暑い時期に長く置くときは、室温に長く置かず、冷蔵庫に入れます。
水は、洗う前のお米の体積の1.2倍ほど、2合なら400〜440mlを目安にします。
浸水に使った水をそのまま使うときは、鍋に移す前にいったん量り直すと、水加減がずれません。

ふたをして、中火にかけます。
2合なら8〜10分ほどで、ふたのすき間から勢いよく湯気が出て、ぐつぐつという音がしてきます。
強火で一気に沸かすと、底だけが焦げて中に芯が残りやすいので、火は鍋の底からはみ出さない中火にします。

沸騰したら、ふたをしたままごく弱い火に落とし、12〜15分炊きます。
水がなくなってくると、パチパチという小さな音に変わり、湯気が少なくなります。
この音が、火を止める合図です。
火を止めたら、ふたを開けずに10分蒸らします。
蒸らしのあいだに、お米の表面に残った水分が中まで入り、芯までやわらかくなります。
蒸らし終わったら、ふたを開けて、しゃもじで底から大きく返してほぐします。

余分な蒸気が逃げて、粒がべたつかずに仕上がります。

1合や3合を炊くときは、水は1合につき200〜220mlほどを目安に、量に合わせて増減します。
量が増えるほど沸騰までの時間が長くなるので、時間よりも湯気と音を見て段階を進めます。
合数と水の量の考え方は「米1合は何グラム?計量カップとはかりの測り方と、水加減の目安」で詳しくまとめています。
1合だけ炊く日は、小さめの鍋で
1合を大きな鍋で炊くと、お米が底に薄く広がり、水がすぐになくなって焦げやすくなります。
直径の小さい片手鍋や小ぶりの土鍋を使うと、お米と水に厚みが出て、炊きむらが出にくくなります。
量が少ない分、沸騰までも早いので、湯気が出はじめたら早めに弱火に切り替えます。

お米の種類で、水を少し変える
| お米 | 水の調整 | ひと言 |
|---|---|---|
| 新米 | いつもより少し控えめ | 粒に水分が多く、やわらかくなりやすい |
| 精米から日がたったお米・古米 | いつもより少し多め | 乾いていて、かたく炊きあがりやすい |
| 無洗米 | いつもより少し多め | 同じカップに多めに入る |
| もち米 | かなり少なめ | 鍋より蒸し器で蒸す方法も向く |
増やす・減らすのは、1合につき大さじ1杯くらいずつにとどめ、炊きあがりを見て次に生かします。
無洗米の水の合わせ方は「無洗米のメリット・デメリット、普通のお米との違いと炊き方」で、もち米の炊き方と蒸し方は「もち米の炊き方とうるち米の違い、おこわ・赤飯の水加減と炊飯器の使い方」で詳しく書いています。
途中でやらないほうがいいこと
どうしても中が気になるときは、ふたを開けるのではなく、耳を近づけて音を聞くようにします。

ぐつぐつなら弱火の途中、パチパチなら水がなくなってきたしるしです。
吹きこぼれそうになったら、ふたを少しずらすより、火を少し弱めるほうが、炊きあがりへの影響が小さく済みます。
熱い鍋とふた、蒸気でやけどをしないために
鍋炊きで気を付けたいやけど
鍋の取っ手やふたのつまみも、炊いているあいだにかなり熱くなります。
持つときは、乾いた鍋つかみを使います(ぬれたふきんは熱が伝わりやすい)。
ふたを開けるときは、体から遠いほうを持ち上げて、蒸気が顔や腕にかからないようにします。
土鍋は、火を止めたあとも長く熱いままです。
鍋敷きの上に置き、子どもの手の届く場所に置かないようにします。
土鍋は、熱いうちにぬれた台や冷たい場所に置くと、急に冷えてひびが入ることがあります。
火からおろしたら、乾いた鍋敷きの上に置きます。

土鍋そのものの準備や手入れは、使っている土鍋の説明書に従います。
炊飯器で炊くのと、どこが違うか
鍋で炊くご飯は、火加減と時間を自分で決められるのがいちばんの違いです。
かため・やわらかめ、おこげの有無まで、その日の料理に合わせて変えられます。
浸水を終えていれば、火にかけてから30分ほどで炊きあがるのも、鍋のよいところです。
| 比べるところ | 鍋で炊く | 炊飯器で炊く |
|---|---|---|
| 手間 | 火加減を見ながら台所にいる | スイッチを押せば手が離せる |
| 時間 | 浸水後、30分ほど | コースによる(吸水の時間を含むものもある) |
| 仕上がりの調整 | 火加減・時間・おこげを自分で変えられる | 炊き分けのコースで選ぶ |
| 予約・保温 | できない | できる |
| 少量 | 1合でも炊きやすい | 機種によっては少量のコースがある |
毎日のご飯は炊飯器で、時間のある日や少しだけ炊きたい日は鍋で、という使い分けもできます。

おこげをつくりたいとき
おこげがほしいときは、弱火の時間が終わる直前に、ほんの少しだけ火を強めてから火を止めます。
強める時間が長いと、おこげではなく焦げになるので、香ばしいにおいがしてきたらすぐに火を止め、そのあとはふつうに蒸らします。
焦げた、芯が残った、べちゃっとしたとき
底が焦げてしまった
焦げた部分はそのままにして、上のほうの白いご飯だけを先によそいます。
次に炊くときは、弱火をもっと弱くするか、弱火の時間を少し短くします。
薄い鍋で焦げやすいときは、厚手の鍋に替えるのがいちばんの近道です。
芯が残って、かたい
水を大さじ1〜2ほど全体にふりかけ、ふたをして、ごく弱い火で数分あたためます。
火を止めて、もう一度ふたを開けずに蒸らします。
次からは、浸水の時間を長めにとるか、水を少し増やします。
べちゃっとして、やわらかすぎる
水が多かったか、蒸らしのあとにすぐほぐさなかったことが考えられます。
炊きあがったご飯は、すぐに底から返して蒸気を逃がし、次からは水を少し減らします。
鍋で炊いたご飯を、鍋に入れたまま室温に長く置くのは避けます。
食べきれない分は、温かいうちに1食分ずつ包んで冷凍しておくと、次の食事でもおいしく食べられます。
包み方は「炊いたご飯の冷凍保存、ラップ・容器・解凍の手順と、冷凍に向く炊き方」にまとめています。
鍋で炊くご飯の仕上がりを決めるのは、弱火の時間より、火を止めたあとの10分です。
ふたを開けたくなっても、蒸らしが終わるまで待てば、粒の芯までふっくらとしたご飯になります。
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