白米と同じ目盛りまで水を入れて、いつもの白米コースで炊いた玄米。
茶碗によそうと粒がかたく、噛んでもぼそぼそして、食べきれずに残ってしまう。
玄米は、外側のぬかの層が水を通しにくいので、白米と同じ浸水・同じ水・同じコースでは、粒の芯まで水と熱が届きません。
変えるのは、浸水の時間、水の量、炊き方の3つです。
玄米をかたくしないための3つ
・浸水は長めに: 最低でも2〜3時間、冬は5〜6時間以上が目安
・水は白米より多めに: 炊飯器なら内釜の玄米の目盛りまで
・炊飯器は玄米コースで: コースがなければ、圧力鍋か鍋で炊く
浸水のいらないコースを持つ炊飯器もあるので、時間と水は取扱説明書を優先します。

玄米が、白米の炊き方ではかたくなる理由
玄米は、稲の実からもみ殻を外しただけのお米で、ぬかの層と胚芽が残っています。
白米はこのぬかの層を精米で削ってあるので、水につけるとすぐに粒の中まで水がしみこみます。
玄米は表面のぬかの層が水を通しにくく、同じ時間つけても、吸う水がずっと少なくなります。
水を吸いきらないまま炊くと、表面はやわらかいのに、中に芯が残る炊きあがりになります。
量り方は白米と同じで、米用のカップ(180ml)ですり切り、1合は約150gです。
カップとはかりの使い分けは「米1合は何グラム?計量カップとはかりの測り方と、水加減の目安」で扱っています。
玄米を炊く基本の流れ
炊飯器でも、圧力鍋でも、鍋でも、流れは同じです。
方式で変わるのは、STEP4の炊き方のところだけです。
米用のカップに玄米をふんわり入れ、菜箸などで平らにすり切ります。
料理用の200mlのカップで量ると、1杯ごとに量が多くなります。
ボウルに玄米を入れて水を注ぎ、軽くかき混ぜて、浮いたもみ殻やごみを流します。
これを2〜3回くり返したら、手のひらで軽くこすり合わせるようにもみ洗いすると、水を吸いやすくなります。
炊飯器の内釜でもみ洗いすると、内側のコーティングを傷めることがあるので、ボウルを使います。

たっぷりの水につけて、最低でも2〜3時間、冬は5〜6時間以上おきます。
前の晩に洗って、朝まで浸水させてもかまいません。
気温の高い時期は、浸水は冷蔵庫でします。

浸水に使った水を切り、新しい水を入れて炊きます。
炊飯器は玄米コースと玄米の目盛り、圧力鍋と鍋は、下の表の水を出発点にします。
炊きあがったら、しゃもじで底から返すようにほぐして、粒のまわりの余分な水分をとばします。
鍋で炊いたときは、火を止めてからふたを開けずに蒸らす時間をとります。
浸水の時間は、季節と炊き方で変える
玄米が水を吸う速さは、水温が低いほどゆっくりになります。
夏は2〜3時間でもかなり水を吸いますが、冬の冷たい水では5〜6時間以上、できればひと晩とると、芯が残りにくくなります。
ただ、暖かい部屋に長く置いた水は雑菌が増えやすく、においが出ることがあります。
夏場の浸水を冷蔵庫でするのは、このためです。
圧力鍋は高い温度で炊くので、浸水が短くても炊けますが、時間をとるほうがふっくらとやわらかく仕上がります。
炊飯器の玄米コースには、浸水の時間がコースの中に入っている機種もあるので、使う前に取扱説明書を見ておきます。
炊飯器・圧力鍋・鍋、それぞれの水と時間
玄米をどれで炊くかは、かかる時間と食感の好みで選びます。
どの方式でも、表の水と時間ははじめの1回の目安です。
| 炊き方 | 水の目安 | 浸水 | 炊く時間の目安 | 炊きあがりの傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 炊飯器(玄米コース) | 内釜の玄米の目盛り | 機種によっては不要。取扱説明書どおり | 白米コースよりかなり長い。コースの表示で確かめる | 目盛りどおりに炊けば、仕上がりがそろいやすい |
| 圧力鍋 | 玄米の量の1.2〜1.5倍ほど | 短くても炊ける。とれば、よりやわらか | 圧力がかかってから弱火で15〜20分ほど。そのあと圧力が下がるまで置く | もっちり、やわらかめ |
| 鍋(厚手の鍋・土鍋) | 玄米2合に450〜500mlほど | ひと晩が目安 | 沸騰後ごく弱火で30分ほど。火を止めて30分ほど蒸らす | 粒の形が残り、噛みごたえがある |
時間と水は、鍋の厚さや火の強さ、圧力鍋の圧力の強さで変わります。
圧力鍋と炊飯器は、取扱説明書の玄米の項目がいちばんの目安です。
炊飯器で炊くときは、玄米コースと玄米の目盛り
玄米コースの炊き方は機種によって違いますが、白米コースより時間をかけて炊くのが一般的です。
水は内釜の玄米の目盛りまで入れ、白米の目盛りでは合わせません。

炊飯器によっては、玄米で炊ける量が白米より少なく決められているので、炊ける合数も取扱説明書で確かめます。
玄米コースで一緒に炊けるものは機種で違うので、取扱説明書に書かれていなければ、白米や無洗米、雑穀と一緒に炊かないようにします。
具を入れた炊き込みも、取扱説明書でできると書かれていなければ避け、混ぜたい具は炊きあがってから加えます。
炊飯器の方式やコースの見方は「炊飯器のIH・圧力IH・土鍋釜の違い、容量・内釜・手入れの見方」にまとめています。
圧力鍋で炊くときは、圧力が下がるまで開けない
圧力鍋は、浸水した玄米と水を入れてふたをし、強めの火で圧力がかかるまで加熱します。
圧力がかかったら弱火にして、15〜20分ほど加熱して火を止めます。
そのまま置いて、圧力が自然に下がるのを待つ時間が、蒸らしの役目をします。

圧力鍋で玄米を炊くときの注意
・圧力表示ピンが下がるまで、ふたを開けない(中の蒸気と熱いご飯が噴き出すおそれがある)
・蒸気の出口に、顔や手を近づけない
・玄米と水は、鍋の内側にある上限の線を超えて入れない
・ふたを開けたあとの鍋と取っ手は熱いので、鍋つかみを使って扱う
鍋で炊くときは、ごく弱火と長めの蒸らし
鍋なら、熱がゆっくり伝わる厚手の鍋や土鍋を使います。
ひと晩浸水した玄米2合に、水を450〜500mlほど入れ、ふたをして中火より少し強めの火にかけます。
沸騰したらごく弱火にして30分ほど炊き、火を止めたら、ふたを開けずに30分ほど蒸らします。
途中で吹きこぼれそうになったら、火をもう少し弱めます。
火を止めた直後の鍋とふたは熱く、開けると熱い蒸気が上がるので、鍋つかみを使い、顔を近づけずに向こう側からふたを持ち上げます。

玄米コースがない炊飯器で炊くとき
白米コースで玄米を炊いてもいい?
炊けないことはありませんが、白米コースは玄米向けの火加減ではないので、かため・芯が残る仕上がりになりやすくなります。
まず、取扱説明書に玄米の炊き方が書かれているかを確かめます。
書かれていないときに試すなら、浸水をひと晩とり、水は白米の目盛りより少し多めにして、炊きあがりのかたさを見て次の回の水を決めます。
水を増やしすぎると吹きこぼれのもとになるので、炊ける最大の合数より少ない量で試します。
白米コースで炊きやすいものに替える方法もあります。
ぬかを少し残した分づき米や、白米に混ぜて炊けると袋に書かれた発芽玄米なら、玄米コースがなくても扱いやすくなります。
分づき米との違いは「玄米と白米の違いとデメリット、向き不向きと、白米に混ぜはじめる割合」で、発芽玄米は「発芽玄米の作り方と炊き方、作るか買うかの決め方と、水替え・においの注意」で取り上げています。
毎日のように玄米を炊くなら、玄米コースのある炊飯器か圧力鍋を使うほうが、仕上がりは安定します。
かたい・ぼそぼそ・べちゃっとしたときの直し方
| 炊きあがり | 考えられる原因 | 次に炊くときの直し方 |
|---|---|---|
| 芯が残って、かたい | 浸水が短い、水が少ない、白米コースで炊いた | 浸水をのばす。水を1合につき大さじ1杯ずつ足す。玄米コースにする |
| 表面だけやわらかく、ぼそぼそ | 粒の中まで水が届いていない | 冬はひと晩浸水する。洗うときに軽くもみ洗いする |
| べちゃっと、やわらかすぎる | 水が多い。長く浸水したのに水を減らしていない | 水を1合につき大さじ1杯ずつ減らす |
| においが気になる | 暖かい部屋で長く浸水した | 浸水は冷蔵庫で。浸水の水を捨て、新しい水で炊く |
| 鍋の底が焦げる | 火が強い、水が少ない、鍋が薄い | 沸騰後はごく弱火に。厚手の鍋か土鍋を使う |
直すときは、一度に1か所だけ変えます。
浸水と水を同時に変えると、どちらが効いたのかがわからなくなります。
変えた内容と炊きあがりを書きとめておくと、2〜3回で、家の炊飯器や鍋に合う加減が見えてきます。
炊きあがった玄米を、おいしく食べきる
炊きあがった玄米は、すぐに底からほぐして、粒のまわりの余分な水分をとばします。

玄米は長い時間の保温を避け、その日に食べる分以外は、早めに取り分けます。
炊飯器から内釜を出すときは、内釜もふたの裏も熱いので、鍋つかみやふきんを使います。

包み方と温め直しのこつは「炊いたご飯の冷凍保存、ラップ・容器・解凍の手順と、冷凍に向く炊き方」にまとめています。
粗熱がとれた包みを保存袋に入れて冷凍庫にしまえば、炊いた玄米は、数回分の食事に分けて残せます。





コメント