3回目のすすぎ水を捨てようとして、まだ白く濁っているのを見ると、もう1回洗ったほうがいいのか手が止まります。
いまの白米は、水が透明になるまで洗わなくて大丈夫です。
ボウルの底のお米がうっすら透けて見えるくらいの濁りで止めて、そのぶん浸水の時間をきちんととるほうが、炊きあがりに差が出ます。

「研ぐ」より「やさしく洗う」がいまの白米に合う理由
ぬかの残り方が、昔のお米と違う
昔の白米は、精米したあとも表面にぬかがたくさん残っていたので、手のひらで押しつけるように「研ぐ」必要がありました。
いまは精米の技術が上がり、表面に残るぬかはずっと少なくなっています。
そこに昔と同じ力をかけると、お米の粒が欠けたり割れたりして、炊いたときにべちゃっとしやすくなります。
力を入れてこするのではなく、指先でかき混ぜて、表面の細かいぬかを水に移すくらいの感覚で十分です。
最初の水は、入れたらすぐに捨てる
乾いたお米は、最初にふれた水をいちばんよく吸います。
最初の水には、表面のぬかが一気に溶け出すので、ゆっくりかき混ぜていると、そのぬかのにおいをお米が吸いこんでしまいます。
水を注いだら、2〜3回ざっと混ぜて、すぐに捨てる。
ここだけは手早くするのが、ぬかくさいご飯にしないためのいちばんのコツです。
お米を洗う手順
炊飯器についてくる米用のカップ(1合=180ml)で、ふんわりすくって、ふちを平らにすり切ります。
ぎゅっと押しこんだり、山盛りにしたりすると、量がずれて水加減も合わなくなります。

ボウルにお米を入れ、たっぷりの水を一気に注ぎます。
軽くひと混ぜしたら、すぐに水を捨てます。

少なめの水を入れ、指を立てて、20回ほどくるくるとかき混ぜます。
水を足してすすぎ、濁った水を捨てます。
これを2〜3回くり返すのが目安です。

最後のすすぎ水は、ボウルを傾けるかざるに上げてしっかり切り、すぐに炊く分の水を入れて浸水させます。
ざるに上げたまま長く置くと、表面だけが乾いて割れやすくなるので、ざるに上げたまま放っておかないようにします。

ボウルで洗うか、内釜で洗うか
炊飯器の内釜でそのままお米を洗う方法もありますが、内釜の内側のコーティングは、こすれると傷みやすいものです。
内釜で洗ってよいかどうかは、炊飯器の取扱説明書に書かれています。
書かれていないときや、内釜を長くきれいに使いたいときは、ボウルとざるで洗ってから内釜に移すほうが安心です。
3合以上をまとめて洗う日は、お米がボウルの半分以下におさまる大きめのボウルを使うと、水がはねずにやさしくかき混ぜられます。
何回で止めるか、お米の状態で変わる
洗う回数は、「何回」と決めるより、すすぎ水の濁り方で決めます。
牛乳のように真っ白だった水が、少し白っぽいくらいになれば十分です。

ただ、お米の状態によって、濁り方も、気を付けたいところも変わります。
| お米の状態 | 洗い方の目安 | 気を付けること |
|---|---|---|
| 新米 | さっと2回ほど | 粒がやわらかく水を吸いやすいので、力を入れない |
| ふつうの白米 | 2〜3回 | 濁りがうすくなったら止める |
| 精米から日がたったお米・古米 | 1回多めにすすぐ | ぬかのにおいが残りやすい。最初の水を特に手早く捨てる |
| 無洗米 | 洗わなくてよい | 水加減を少し多めにする |
| もち米 | やさしく2〜3回 | 粒が割れやすいので、こすらずに混ぜる程度 |
精米から日がたったお米や古米は、においが気になることがあります。
古米の見分け方と、おいしく炊くための工夫は「米のカビと古米、白い粉やにおいがあるときの判断と、古米のおいしい炊き方」でまとめています。
無洗米は、洗う手間を省くために、工場で表面のぬかを取り除いたお米です。
水加減の合わせ方など、普通のお米との違いは「無洗米のメリット・デメリット、普通のお米との違いと炊き方」で詳しく書いています。
浸水の時間は、夏と冬で変わる
浸水を省くと、芯が残りやすい
お米は、炊く前に芯まで水を吸わせておくと、加熱したときに中まで均一に火が通ります。
浸水が足りないまま炊くと、外はやわらかいのに、中に芯が残ったような、かたいご飯になりがちです。
浸水したお米は、半透明から白っぽい色に変わります。
粒全体が白っぽくなっていれば、水を吸ったしるしです。

季節ごとの浸水時間の目安
お米が水を吸う速さは、水の温度で変わります。
水が温かい夏は早く吸い、水が冷たい冬はゆっくり吸うので、浸水の時間も季節で変えます。
| 季節 | 浸水時間の目安 | ひと言 |
|---|---|---|
| 夏(室温・水温が高い) | 30分〜1時間 | 長く置くときは冷蔵庫で |
| 春・秋 | 1時間前後 | 夏と冬のあいだで調整する |
| 冬(水が冷たい) | 1〜2時間 | 短いと芯が残りやすい |
どの季節でも、最低30分はとると考えておくと、浸水不足になりにくくなります。
時間はあくまで目安なので、粒が白っぽく変わったかどうかをあわせて見ます。
夏の浸水で気を付けたいこと
暑い時期に、水に浸けたお米を室温に長く置かないようにします。
朝に洗って夜に炊くなど、時間があくときは、ボウルにラップをして冷蔵庫へ入れます。
冷蔵庫の中は水が冷たく、吸水がゆっくりになるので、時間は長めに見ておきます。
冷蔵庫に入れても、置いておくのは半日(12時間)ほどまでを目安にし、それを超えそうな日は浸水を始める時間を遅らせます。
炊飯器の予約炊飯を使うときは、予約できる時間を取扱説明書で確かめ、その範囲で使います。
浸水の時間がとれない日の段取り
帰ってからすぐ炊きたい日は、お米を洗って浸水を始めることを、台所でいちばん最初の作業にします。
そのあいだにおかずを作れば、30分ほどの浸水は待ち時間になりません。
朝のうちに洗って冷蔵庫で浸水させておく方法も、夜に炊く日の段取りとして使いやすいやり方です。

炊飯器の吸水の時間も確かめる
炊飯器によっては、炊飯のコースの中に、お米に水を吸わせる時間が組みこまれているものがあります。
その場合は、浸水を短くしても芯が残りにくいことがあります。
自分の炊飯器が浸水の時間をとるかどうかは、取扱説明書の炊き方のページに書かれているので、一度確かめておくと、浸水をどこまで省けるかがわかります。
洗う水と炊く水、温度と種類
洗う水は、水道の冷たい水で十分です。
冬は手が冷たくなりますが、お湯で洗うのは避けます。
水の温度が高いと、ぬかのにおいが出やすく、お米の表面がふやけて、炊いたときのべたつきにつながりやすくなります。
炊く水も、水道水か浄水器の水でかまいません。
ミネラルウォーターを使うときは、軟水を選びます。
軟水で炊くと、やや柔らかめに仕上がりやすくなります。
もうひとつ大事なのが、水加減を洗う前のお米の量に合わせることです。
洗ったお米はすでに水を吸っているので、洗ったあとの量で考えると、水が足りなくなります。
1合あたりの水の量や、計量カップとはかりの使い分けは「米1合は何グラム?計量カップとはかりの測り方と、水加減の目安」でまとめています。
べちゃっとした、かたい、と感じたときの見直し
炊きあがりが思いどおりにならないときに見直すのは、洗い方・浸水・水加減の3つです。
仕上がりから、どこを変えるかをたどります。
| 仕上がり | 考えられる原因 | 次に変えること |
|---|---|---|
| べちゃっとする | 水が多い/強く研いで粒が割れた/新米なのにいつもの水加減 | 水を大さじ1ほど減らす。研ぐ力を弱める |
| 芯が残る・かたい | 浸水が足りない/水が少ない | 浸水を長くする。水を少し足す |
| パサパサする | 水が少ない/炊いてから長く保温した | 水を少し足す。保温を長くしない |
| ぬかくさい | 最初の水を捨てるのが遅い/すすぎが足りない | 最初の水をすぐ捨てる。すすぎを1回増やす |
| 上と下でかたさが違う | 炊きあがってすぐほぐしていない | 炊けたらすぐ底から返す |
炊きあがったら、すぐにほぐす
炊きあがったご飯をそのままにしておくと、下のほうの粒が重みでつぶれ、余分な水分もこもります。
炊けたらすぐに、しゃもじで十字に切れ目を入れ、底から大きく返して、全体に空気をふれさせます。

ふたを開けるときは、蒸気に注意
炊きあがった直後の炊飯器や鍋は、ふたを開けた瞬間に熱い蒸気が上がります。
顔や手を真上に近づけず、ふたは体から遠いほうへ向けて開けます。
内釜や鍋の取っ手も熱いので、持つときは鍋つかみを使います。
食べきれない分は、保温を長く続けるより、温かいうちに小分けにして冷凍するほうが、味が落ちにくくなります。
包み方と温め直しの手順は「炊いたご飯の冷凍保存、ラップ・容器・解凍の手順と、冷凍に向く炊き方」にあります。
次にお米を洗うときは、回数を数えるより、3回目のすすぎ水の向こうに、お米の粒が透けて見えるかだけを見てください。
見えたら、そこで洗うのは終わりです。
あとは季節に合わせて浸水の時間をとれば、炊きあがりはそろってきます。
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